法律相談例


誹謗中傷被害を受けているため改名をしたい

 生活をするうえで困っていることがあり、相談いたしました。それは、私の名前のことです。最近、私と同姓同名の方が、事件を起こして、新聞やテレビなどで事件のことが大々的に報道されました。そのせいでしょうか、ご近所の方から、事件の犯人と間違われることもありますし、友人からも、私の名前をからかわれることがあります。家の郵便物に、「犯罪者出て行け」と書かれたチラシが入っていたこともあります。また、私が犯人だとの書き込みがネットにされているようです。このままでは、気が滅入りそうです。名前を変更することはできないのでしょうか。

誹謗中傷被害を受けているため改名をしたい

 それは、災難でしたね。ネット社会では、今後も情報が残り、継続的に生活に支障が生じるのではないかという不安もおありになることでしょう。

 さて、改名の手続は、戸籍法107条の2に規定されており、「正当な理由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。」とされています。この「正当な理由」があるかどうかは、家庭裁判所の家事審判官(裁判官)が判定することになります。

 では、この「正当な理由」とは、どのようなものでしょう。改名申立書に記載されているものには、①奇妙な名である、②外国人とまぎらわしい、③むずかしくて正確に読まない、④神官、僧侶となった、⑤同姓同名者がいて不便である、⑥通称として永年使用した、⑦異性とまぎらわしい、⑧その他の8つが記載されています。

 相談者様の事案では、上記の⑤に該当するかが問題となります。⑤に該当するケースとしては、過去、実際に、「田中角栄」という名前の改名申立てが認められたケースもあります。

 手続きとしては、裁判所に対し、申立書を提出し、審判を受けることになります。

 改名申立てが認められても、免許の記載の変更などの事務手続きも多数発生いたします。余計なことかもしれませんが、お名前の由来や命名された親御さんのお気持ちなどをもう一度確認された上で、改名が必要かについては、慎重にご判断されることをお勧めします。また、ネット上の書き込みなどについては、プロバイダーに削除を依頼するという方法で対処することも可能です。

 それでも、改名の手続きを進めたいとお考えになる場合は、申立てに当たり、同姓同名の方が起こした事件の記事、相談者様宅に投函されたチラシ、ネットの書き込み、相談者様が日常生活でどれだけ不便を強いられているかを説明した陳述書などを提出する必要があります。そのうえで、相談者様がどのような不便を強いられているかについては、具体的に説明する必要があります。申立書の記載方法や裁判所に提出する書類の作成などについて、ご不明な点があれば、一度ご相談ください。